親から子どもへの工夫のある言葉
がけが多いほど、子どものやさし
さ・思いやりの育ちにつながり
ます
皆川泰代(みながわ やすよ)教授
慶應義塾大学 文学部心理学専攻
赤ちゃんラボ主宰
他者と気持ちを共有する力
お人形を使った「ごっこ遊び」は、心を育てます。
子ども・親 ・ お人形での「ごっこ遊び」は、親がお人形の心の状態(例:お腹を空 いてるかな?)を子どもに伝えることで、子どもの「他者と気持ちを共有する力」 「自分の心と他者の心の 動きは違うことを理解する力」が自然に育まれます。
さらに、子ども・親・お人形での「ごっこ遊び」の時間が長いほど、「他者をなぐさめる」「お人形へ多く話しかけるなど、他者の気持ちを 見立てる能力」が高くな ることが、慶應義塾大学 赤ちゃんラボ主宰 皆川泰代教授の実験で明らかになりました。
CASE
1
結果
「お人形遊び」時間の長い子どもはなぐさめ行動をする割合が多いことがわかりました。
CASE
2
結果
「お人形遊び」時間の長い子どもは、他者と気持ちを共有できる割合が高いことがわかりました。
CASE
3
結果
「お人形遊び」時間の長い母親はお人形の心の状態(例:うれしいと思っているかな?)を言葉にして子どもに伝える割合が高いことがわかりました。
このような言葉がけは子どもの心の理解の発達を育みます。
結果
「お人形遊び」時間の長い子どもは時間の短い子に比べ、乳児向け音声を使ってお人形に話しかける割合が高いことがわかりました。
乳児向け音声を人形に対して使えることは、お人形が自分よりも小さくて弱い別の心を持つ存在であることを理解し (他者理解)、積極的に関わろうとする気持ちがあることが示唆されます。
CASE
4
援助行動の動画の場合
妨害行動の動画の場合
結果
「お人形遊び」時間の長い子どもは援助行動は日常的なのか大きい脳活動の変化はみられませんが、日常的に見ない妨害行動には驚いたのか脳活動の増加が見られます。
ポジティブな他者の社会行動の意味を推し量ることに慣れている脳機能が育っていることが示唆されます。